技術仕様とシステム構成

構成は意図的に単純です。会場側に必要なのは IP カメラ、集約サーバー 1 台、そしてテーブル脇のタブレットだけ。認識と精算はプラットフォーム側で行うため、AI 演算機器を保守する必要はありません。

ネットワーク構成

テーブルから下流システムまでの信号経路です。グレーの領域が会場側でご用意いただく機器です。

会場側 EWIN 配信・認識プラットフォーム 下流システム RTSP RS-232 LAN RTMP / SRT 配信 REST / WS / Webhook 結果の返送とディーラー確認 透明シュー + IP カメラ 1 テーブルに 1〜2台、上部から固定画角 AngelEyeスマートシュー Ex II / SuperAngelEye、RS-232 出力 ディーラータブレット 結果を表示し、その場で修正 PoE スイッチ 給電と各テーブルのカメラ集約 Moxa NPort シリアル → Ethernet、TCPServer モード 集約サーバー 映像とシュー信号をまとめ、エンコードして配信 ストリーム受信 RTMP / SRT の受信とトランスコード AI 認識エンジン カード検出、ランクとスートの認識 精算と相互検証 3 枚目の判定、勝敗、二系統の照合 結果出力 API REST / WebSocket / Webhook 罫線・表示板 ライブディーラー基盤 レポートと監査
グレーの領域は会場側でご用意いただく機器です。ディーラータブレットは結果出力と同じ返送経路を使い、ディーラーが確認または修正した後にはじめて最終結果が下流へ送られます。

AngelEye スマートシュー連携

AngelEye スマートシューを導入済みの会場は、機器を入れ替える必要がありません。シューはシリアルポートから各カードを出力し、Moxa NPort が Ethernet に変換して集約サーバーへ送り、映像のタイムラインと同期して送信します。

AngelEye スマートシュー SMART SHOE AngelEye スマートシュー AngelEye Ex II · Super AngelEye
Moxa NPort RS-232 RJ-45 Moxa NPort シリアル → Ethernet、NPort 5150 / 5250A 推奨
集約サーバー 集約サーバー EWIN Collector がシューのデータを解析し映像と同期

接続仕様

対応機種AngelEye Ex II、Super AngelEye
シュー側インターフェースRS-232、DB9 コネクタ
シリアル設定一般的に 9600 または 19200 bps、8-N-1。現地のシュー設定に合わせます
変換機器Moxa NPort 5150 / 5250A または同等のシリアルデバイスサーバー
NPort モードTCP Server、既定のデータポートは 4001
接続方向集約サーバーが TCP クライアントとして接続し継続的に読み取り
切断時の扱い自動再接続とタイムアウト検知。切断中は画像認識で結果を維持
時刻同期シューのイベントと映像フレームを集約サーバーの時計で同期、誤差は 1 フレーム以内

シリアル設定、データ形式、ポート番号はシューのファームウェアと会場の既存設定によって異なります。導入前に現地の実機接続テストで確定します。

二系統による相互検証

シュー信号と画像認識を同時に稼働させると、2 つの結果が相互に照合されます。単一系統では得られない信頼性です。

  • 一致した場合:そのまま出力し、二系統確認済みとして記録
  • 不一致の場合:そのゲームを要確認としてディーラータブレットへ送信
  • シュー切断時:画像認識の結果に自動で切り替わり、運用は止まりません
  • カメラ側が遮蔽された場合:シューのデータで補完し、画像も証跡として保持
  • すべての照合結果を監査ログに記録し、不一致率を後から確認できます

推奨ハードウェア/ソフトウェア構成

1 会場あたりの推奨仕様です。実際の数量と等級はテーブル数、照明条件、既存ネットワークに応じて調整します。

テーブル側

項目 推奨仕様 数量 提供元
IP カメラ 1080p / 60fps 以上、4K 推奨。RTSP、H.264 / H.265 対応。低遅延モード。PoE 給電。オートフォーカスのハンチングを避けるため固定焦点 1 テーブルに 1〜2 台 会場
カメラアーム テーブル上部のアームまたは天井固定。角度微調整が可能で、営業中も位置が保てること カメラ 1 台につき 1 組 会場
ディーラータブレット 10 インチ以上の Android または iPad、Wi-Fi 5 以上。ブラウザのみで利用でき、アプリのインストールは不要。滑り止めスタンドの併用を推奨 1 テーブルに 1 台 会場
補助照明 照度不足や反射が強い場合に均一な拡散光を追加。カード面が白飛びする直射は避けます 現場に応じて 会場

会場サーバールーム

項目 推奨仕様 数量 提供元
集約サーバー CPU 8 コア以上(Intel Xeon E / Core i7 相当)、メモリ 32GB、SSD 512GB、1GbE NIC ×2。GPU は不要 1 会場に 1 台(10〜20 テーブル対応) 会場
PoE スイッチ ギガビット PoE+。ポート数はカメラ数に対し 30% の余裕を確保。カメラ専用 VLAN を推奨 テーブル数に応じて 会場
上り帯域 1080p 1 系統あたり約 4〜8 Mbps、4K は約 15〜25 Mbps。固定 IP を推奨し、上り帯域は 1.5 倍の余裕を確保 テーブル数に応じて 会場
UPS 集約サーバーとスイッチをカバーし、30 分以上を推奨 1 式 会場

ソフトウェア

項目 推奨仕様 数量 提供元
集約・配信エージェント EWIN Collector。Ubuntu 22.04 LTS または Windows Server 2019 以降に対応し、RTMP / SRT でプラットフォームへ配信 1 式 EWIN
ディーラータブレット画面 ブラウザで開いてログインするだけの Web 画面。結果の確認、修正、異常報告に対応 台数無制限 EWIN
認識・精算エンジン プラットフォーム側で実行。カード検出、ランクとスートの認識、各ゲームの精算モジュールを含みます 1 式 EWIN
管理コンソール テーブル状態の監視、ゲーム単位の履歴照会、画像参照、修正履歴の監査、レポート出力 1 式 EWIN

ディーラータブレット:人による最終確認

速度は AI が、最終確認は人が担います。タブレットはその要となる工程です。

リアルタイム表示

認識が完了したカードから順にタブレットへ表示され、ランク、スート、そのゲームの累計点数が確認できます。

ワンタップ修正

認識に疑義があれば、ディーラーがタブレット上で正しいカードを選択し、修正後にはじめて結果が送信されます。

低信頼度の通知

信頼度のしきい値を下回るカードは要確認として表示され、ディーラーが優先的に確認できます。

修正履歴の完全保存

修正ごとに操作者、時刻、修正前後の内容を記録し、監査時に照合できます。

ディーラータブレット:人による最終確認

仕様指標

実際の数値は現場の照明、カメラ仕様、ネットワーク条件により変わります。導入前の現地実測値を優先します。

認識精度99.9% 以上(通常の営業照明下)
1 ゲームの認識遅延カードが置かれてから 300 ミリ秒以内に結果を出力
対応デッキ数1〜8 デッキ、設定可能
カメラ仕様1080p / 60fps 以上、4K 推奨、RTSP 対応が必要
集約サーバー1 台で 10〜20 テーブルに対応、GPU は不要
配信プロトコル会場内は RTSP 受信、対外は RTMP / SRT 配信
上り帯域1080p 1 系統あたり約 4〜8 Mbps、4K は約 15〜25 Mbps
データ保存ゲームごとのカード画像、タイムスタンプ、信頼度、修正履歴。保存期間は設定可能

連携方法

3 つの出力方式を同時に有効化できます。受信側の特性に応じてお選びください。

REST API

ゲーム ID で 1 ゲームの完全な結果と画像リンクを取得。バックオフィスのレポートと照合に適します。

WebSocket

常時接続でリアルタイム配信。カードの認識完了と同時に送信され、罫線やロビー表示に適します。

Webhook

ゲーム終了ごとに指定エンドポイントへコールバック。ライブディーラー基盤や既存ゲームサーバーとの連携に適します。

出力例 POST /webhook/round
{
  "table_id": "VIP-A-03",
  "round_id": "20260813-000482",
  "game": "baccarat",
  "shoe": { "source": "angeleye", "model": "Super AngelEye", "shoe_no": 14 },
  "cards": [
    { "seat": "player", "idx": 1, "rank": "6", "suit": "d", "conf": 0.999 },
    { "seat": "player", "idx": 2, "rank": "7", "suit": "d", "conf": 0.997 },
    { "seat": "banker", "idx": 1, "rank": "6", "suit": "d", "conf": 0.999 },
    { "seat": "banker", "idx": 2, "rank": "4", "suit": "s", "conf": 0.998 },
    { "seat": "player", "idx": 3, "rank": "8", "suit": "d", "conf": 0.998 },
    { "seat": "banker", "idx": 3, "rank": "7", "suit": "d", "conf": 0.996 }
  ],
  "result": {
    "player_point": 1,
    "banker_point": 7,
    "outcome": "banker",
    "player_pair": false,
    "banker_pair": false,
    "natural": false
  },
  "verify": { "vision_vs_shoe": "match", "dealer_confirmed": true, "corrections": [] },
  "latency_ms": 268,
  "captured_at": "2026-08-13T04:21:07.412Z"
}

各ゲームの出力には、すべてのカードの位置・ランク・スート・信頼度に加え、そのゲームの精算結果とディーラーの確認状態が含まれます。

信頼性と監査

二重チェック

信頼度のしきい値を下回る結果は要確認として保留され、ディーラーがタブレットで確認した後に出力されます。

切断時の再送

対外回線が切断された場合、集約サーバーがローカルに保持し、復旧後にその期間のゲームを自動で再送します。

完全な監査証跡

各ゲームの元映像、認識結果、ディーラーの修正履歴、出力時刻をすべて保存し、監査用に書き出せます。

ゲーム進行に介入しない

映像を読み取って結果を出力するのみで、配札の制御やベットへの関与は行いません。既存の運用規程は変わりません。

導入形態

クラウド

会場から EWIN クラウドへ配信。最短で導入でき、会場に演算基盤を構築する必要がありません。

会場内プライベート導入

認識プラットフォーム一式を会場のサーバールームに設置し、映像を外部に出しません。規制やセキュリティ要件のある会場向けです。

複数会場の集中管理

各会場が独立して集約・配信し、1 つのコンソールで全テーブルの状態、バージョン、監査記録を監視します。

自社のテーブルで動くところをご覧になりませんか

テーブルの写真や映像をお送りいただければオフライン評価を行い、実際に到達できる認識精度と遅延をご報告します。